スカシユリの育て方
■スカシユリ 栽培データ
英名・学名 lilium maculatum
形態 多年草
原産地 北半球の温帯~寒帯
草丈/樹高 60cm~80cm
開花期 5月~7月
花色 白,ピンク,黄,バイカラー
栽培難易度(1~5) 2
耐寒性 強い
耐暑性 やや弱い
特性・用途 耐寒性が強い
■栽培ポイント
1. 日当たりの良い場所で管理します
2. 数年に1度は植える場所を変えます
3. 土の温度が上がり過ぎないように注意
■スカシユリの育て方
・栽培環境
ユリには大きく分けて2系統あり、
それぞれに日当たりの良い場所を好むものと、
半日陰の環境を好むものとあります。
スカシユリは日当たりの良い場所を好みますので、
できる限り日が当たる場所で育てるようにしましょう。
ただし、土の温度が上がり過ぎると、
球根や根が傷む原因になるので、注意します。
・植え付けと元肥
植え付けは10月~11月が適期です。
地植えの場合は、深さ30cmほどまでよく耕します。
土が酸性土を調整するために苦土石灰、元肥として、
1㎡当たり100g程度の化成肥料を加え、土とよく混ぜます。
水はけが悪い場合は、鹿沼土などを適量足し、よく混ぜておきます。
球根の3倍~4倍の深さに球根を植え付けます。
ユリの仲間は、球根の下からと、
球根の上部から伸びる茎の途中の両方に根が生えます。
特に茎の途中に生える根は、
生育の途中から主力となる根なので、とても重要です。
この茎から生える根を充実させるため、
スカシユリは必ず深植えにするようにしましょう。
◎鉢植えの場合
10号サイズの鉢であれば、
球根のサイズにより、1つ~3つまで植え付けることができます。
鉢は最低でも30cmの深さがあるものを選ぶようにします。
鉢の底が隠れる程度に、鉢底石を敷いたあと、
用土を鉢の縁から2cm~3cmほど下まで入れます。
用土は市販の培養土でも良いですが、
水はけが少し悪いと感じたら、鹿沼土などを足すようにしましょう。
球根の2倍~3倍くらいの深さに球根を植え付け、
水をたっぷりと与えておきます。
・水やり
地植えの場合は、降雨だけでも過ごせることが多いですが、
日照りが続いて土がひび割れるほど乾燥している時は、
たっぷりと与えるようにしましょう。
鉢植えの場合は、土の表面がよく乾いたら、
鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えるようにします。
スカシユリは過湿に弱いので、土の表面がまだ湿っている状態であれば、
水やりは控えるようにすると元気に育ちます。
・追肥
植え付けてから地表に芽が出るまでは、肥料を与える必要はありません。
地表に芽が出てきたら、生育期間に入ったサインです。
2ヶ月に1回のペースで緩効性の固形肥料か、
2週間に1回のペースで規定通りに薄めた液体肥料を与えましょう。
肥料を与えるのは、8月の頭までにします。
植え付けた翌年は、植え替えをしないのであれば、
追肥として緩効性肥料を10月に与えておきます。
スカシユリは多肥にすると、
突然株が枯れてしまうことがあるので注意します。
・植え替え
数年は植えっぱなしでも構いませんが、
3年に1回くらいは植える場所を変えるようにします。
鉢植えの場合は、毎年鉢から抜いて、
新しい用土で植え付けると、連作障害やウィルス病が出にくくなります。
植え替えは地植え、鉢植えいずれも10月が適期です。
■植え付け後の管理
地表に芽が出てきてからは、日当たりのいい環境で育てます。
その後、茎がどんどん伸びてきますので、
必要に応じて支柱を立ててあげましょう。
茎のすぐ傍に支柱を挿してしまうと、
中の球根に支柱が当たって傷つくことがあります。
茎から少し離れた場所に支柱を挿し、
麻紐などで八の字に結んでおきましょう。
日光が好きなスカシユリも、真夏の西日は苦手です。
さらに、西日でなくても、株元や鉢に直射日光が当たると、
土の温度が上がり過ぎてしまい、球根や根が傷むことがあります。
株元に直接日光が当たらないように、
敷きワラなどのマルチをしておきましょう。
また、鉢植えの場合は、二重鉢にすると、
直接鉢に日光が当たらず、温度が上がりにくくなります。
黄色も薄い色から濃い色まで品種が豊富です、バイカラーもあります
■花後の管理
花が咲いている間は、じゅうぶんに花を楽しみましょう。
花びらが散ってきたら、花ガラを摘みます。
花ガラをそのままにすると、株が子孫=種を作ろうとして、
栄養が球根に回らなくなり、株が弱ってしまいます。
花ガラを摘む時、株元から全部切ってしまわないように気を付けます。
スカシユリは花が終わった後も、茎と葉で光合成をし、栄養を作ります。
花が終わった後も、茎と葉は大事な部分ですので、必ず残しておくようにします。
花の下に少し膨らんだ部分があり、これを子房と呼びます。
この子房も花ガラと一緒に摘みましょう。