ユリ 冬の育て方
■ユリ 冬の育て方
・栽培環境
ユリは冬の間、球根で過ごします。
そのため、地上部に何もないので、
どのような環境でも大丈夫と思いがちですが、そうではありません。
球根は乾燥に弱いため、土が乾燥しきってしまわないように、
雨に当たる場所で管理するか、時々水を与える必要があります。
また、寒さには強いですが、土が凍ってしまうと、
球根も一緒に凍ってしまうことがあります。
球根が凍ってしまうと、傷んだり腐ったりする原因になるので、
凍らないようにするための、最低限の防寒対策は必要です。
冬、発芽するまでは、半日陰以上には日当たりのある、
風通しの良い場所で管理するようにしましょう。
春以降は品種により、
半日陰を好むものと日当たりの良い場所を好むものとに分かれますので、
それぞれに合った場所に移動させ、管理するようにしましょう。
鉢植えは、テッポウユリが発芽し、カサブランカなどオリエンタル系はまだですね
・植え付け
ユリの球根の植え付けは、だいたい9月~11月頃とされていますが、
寒冷地でなければ12~1月頃までであれば植え付けが可能です。
ユリは球根の下から根を伸ばし、球根の上から芽を伸ばします。
伸びた芽は地上部に出て、さらに伸びて生長しますが、
土の中ではこの軸にも根が生えてきます。
この軸に生える根をしっかり育てることで、
その後の生育がよくなりますので、
根の生育スペースを広くとる必要があります。
そのため、ユリの球根は浅植えにはせず、
球根3つ~4つほどの深さに深植えするようにします。
鉢植えの場合も同様に植え付けるので、
鉢は浅鉢にせず、必ず深めのものを選ぶようにしましょう。
・水やり
冬の間、地上部に何もないからといって、
水はまったく必要ないわけではありません。
ユリの球根は乾燥に弱いため、
土が完全に乾いてしまうのを嫌います。
また、冬の間であっても、球根から少し根が伸びて、
ゆっくりと活動は始まっていますので、極度の乾燥は禁物です。
地植えの場合は、降雨だけで問題ない場合が多いでしょう。
ただし、長期間雨が降らないなどで、
土が乾燥していると感じたら、水をたっぷりと与えるようにします。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いてから、
3日~4日ほど経ってから水を与えるようにします。
土の表面が乾いていても、中の方はまだまだ湿気ていることが多いです。
特にユリを植え付けるための鉢は、深鉢になっていて土の量も多いので、
表面だけが乾いていることがあります。
毎日土の状態をチェックし、土の表面が乾いてから、
数日経ってから水を与えるようにしましょう。
余計な水分を与えてしまうと、根腐れや球根が傷む原因になり、
土が凍ってしまうこともあるので注意します。
地植え、鉢植えともに、水を与える時は、日中の気温の高い時間帯にします。
早朝や夕方に水を与えると、水分が凍って球根が傷むことがあります。
最初は、少し面倒だと感じると思いますが、
慣れてくると、水やりのコツや時期も的確にわかるようになります。
・肥料
冬の間は、植え付けた時の元肥だけで充分です。
余計な肥料を与えてしまうと、球根や根を傷めてしまうことがあります。
また株が軟弱に育つ原因になったり、
春以降の害虫を寄せる原因にもなることがあるので注意が必要です。
春になって地上部に芽が伸びてくるまでは、特に与える必要はありません。
◎寒さ対策
ユリの球根が寒さに強いといっても、
霜に当たったり土が凍ったりすると、球根や根が傷んでしまいます。
簡単にできる防寒対策として、マルチがあります。
落ち葉、腐葉土、バークチップなどがあり、
どれも長所・短所があるので、庭に合ったものを選んでマルチングします。
また、鉢植えであれば軒下に移動させる方法もあります。
ただし、室内に取り込むのはやめましょう。
ユリは冬の寒さを感じることで、花芽を持ちます。
そのため、冬を室内で過ごしてしまうと、
まだ冬を過ごしていないと勘違いし、
花を咲かせなくなってしまうことがあります。
鉢植えであっても、ユリは必ず屋外で管理し、
霜や凍る心配がある場合は、防寒対策をして冬越しさせましょう。