クロユリ 花言葉
クロユリ
クロユリは、ユリという名前がついていますが、厳密にはユリではありません。
ユリはユリ科ユリ属ですが、
クロユリはユリ科でもバイモ属(フリチラリア属)に分類されます。
茎の先端に花をつけるのはユリと同じですが、
よく見ると花の形がユリとは少し異なります。
黒っぽい花が咲くことからクロユリと呼ばれていますが、
近くで見ると花色は黒ではなく、とても濃い紫色です。
妖しい雰囲気のあるクロユリには、
どのような花言葉がつけられているのでしょうか。
[クロユリ 花言葉]
■クロユリの花言葉
黒っぽい花が咲くクロユリには、意味深長な花言葉がつけられています。
1つは「恋」、もう1つは「呪い」、
それから「復讐」という花言葉もつけられています。
最初の恋は良い意味にとらえることができますが、
呪いや復讐は言葉そのものがマイナスなイメージが強い言葉です。
クロユリ自体は冷涼な気候を好むため、山岳や北海道などで自生しています。
クロユリには、どうしてこれほど恐ろしい花言葉がついてしまったのでしょうか。
■花言葉の由来
クロユリにつけられている花言葉の中でも、
呪いと復讐は、ある物語に由来しているかもしれません。
現在の富山県で有名な戦国武将である佐々成政という人物がいました。
成政には何人もの側女がいました。
中でも小百合という女性がとても美しく、成政は特にかわいがっていたそうです。
それを妬んだ他の側女が、小百合が成政以外の男と密通している、
という嘘の噂を流します。
この噂を耳にした成政は、怒りにまかせて小百合を切ってしまったそうです。
死に際、小百合は、
「3年経って立山にクロユリが咲いた時、佐々家は滅びるでしょう」、
という言葉を残します。
その後、本当に成政は失脚して切腹することになり、
小百合の言葉通りになってしまいます。
小百合を愛するが故に切り捨ててしまった成政と、
愛を呪いに変えて復讐とした小百合の伝説は、
まさにクロユリの花言葉そのもののように思えます。
こういったほの暗い言葉とは違い「恋」という素敵な言葉もあります。
クロユリが自生している北海道の原住民であるアイヌの人たちの間では、
クロユリに関する言い伝えがあるそうです。
それは、好きな人の側にクロユリをそっと置き、
誰が置いたのか分からない状態でその人がクロユリを手にとると、
二人は結ばれるというものです。
呪いや復讐といった恐ろしい言葉がつけられているクロユリですが、
このようなロマンチックな言い伝えもあるのですね。
■クロユリの仲間
クロユリはバイモ属(フリチラリア属)なので、ユリとは違う仲間がいます。
有名なのは、属名にもなっているバイモユリとフリチラリアでしょう。
バイモユリには「人を喜ばせる」「努力」「才能」といった花言葉があり、
フリチラリアには「天上の愛」という言葉がついています。
花色のせいなのか、クロユリほどの怖い花言葉はつけられていません。
どちらかというと、プラスのイメージが強い言葉ばかりがついています。
同じ属であっても、花が変われば花言葉もこれほど変わるものなのですね。