ヤマユリの増やし方

2020年11月14日ユリの増やし方, 増やし方

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山に咲くヤマユリ

 

 

ヤマユリなどユリを増やすのには、いくつか方法があります。

 

花が咲いた後にできる鞘から種をとって播いて育てる方法、
球根を鱗片ごとにばらして植え付ける方法、
株元にできた木子を植えて育てる方法、
複数に分かれた球根を割る方法、
球根から組織を培養して育てる方法、

 

があります。

 

いずれも生育にかかる費用や難易度が異なるため、
自分ができそうで気に入った方法を試してみるようにします。

 

ヤマユリの球根や鉢植えの苗、切り花などを販売する業者でなければ、
球根から組織を培養して育てる方法だけは、あまり現実的ではありません。

 

専用の器具などが必要となるため費用が他の方法に比べると多くかかりますし、
培養する環境を整えるのも一苦労です。

 

家庭で試すのであれば、
種子・鱗片・木子・分球の中から選ぶと良いです。

 

 

[ヤマユリの増やし方]

 

 

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■種子=実生

 

ヤマユリは花が咲いた後、大きな鞘のようなものがつきます。
この鞘の中にはたくさんの種が詰まっていて、
この種を採取して播くことで、株を増やすことができます。

 

ただ、種から育てて花が咲くまでには、5年ほどかかるといわれています。
まず発芽するのに1年以上もの期間が必要となります。

種を播いて1年も芽が出なければ、種播きに失敗したと感じるでしょう。
けれど、ヤマユリの場合は諦めてはいけません。

 

発芽していなくても、地下では根を伸ばし、その先に小さな球根を形成します。
芽が出てきてからも、花が咲けるほど株が充実するまでに何年もかかります。

 

上手に管理して育てれば、一度の種播きで大量の株を増やすことができます。
それにはある程度の経験と根気が必要となります。

 

種から育てる時に最も利点となるのは、
病気に感染していない株を作ることができるところです。

 

ヤマユリに限らず、ユリは病気にかかりやすい植物です。
しかも病気にかかった株は、球根にウィルスが残るため、
鱗片や木子、分球のように、同じ細胞を分けるタイプの増やし方では、
ウィルスが残ることとなります。

 

それに比べ、種で増やす場合は、完全にウィルスのない状態で始められ、
消毒しつつ育てていくことで、病気にかかっていない株を作ることができます。

 

 

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■鱗片

 

ヤマユリの球根を掘り上げると、鱗片が幾重にも重なっているのが分かります。
この鱗片を剥しばらして、土に挿して小球根を発生させて育てることができます。

 

土に挿した鱗片から、直接小さな球根が形成されるため、
種を播いた時ほど時間はかかりません。

 

ただ、やはり開花に至るまでには何年も養生させる必要があるので、
何度か経験してみた方が、成功率が上がります。

 

鱗片挿しによる株を増やす方法では、球根が病気にかかっていると、
鱗片挿しをした株にも病気が感染しています。

 

そのため、鱗片挿しをするための球根は、
病気に感染しておらず、健全なものを選ぶことが大切です。

 

また、鱗片挿しをする前に、
ベンレートを500倍に薄めた液剤に30分ほど浸けた後乾燥させて消毒できます。

 

 

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■木子

 

ヤマユリを育てていると、球根から伸びた茎に小さな球根が発生することがあります。
これが木子です。

 

球根から伸びる茎の、特に土の中に埋まった部分によく発生します。
環境によっては、地上部に木子が出てしまっている場合もありますが、
この場合もちゃんと利用することができます。

 

10月中旬頃、球根を掘り上げるのと同じタイミングで、茎から小球根を取り外します。
小球根は弱いので、丁寧に扱うようにします。

 

発生した木子は小さいので、花が咲くまでには何年か育てる必要があります。
ただ、すでに小球根の状態で植え付けて育てるので、
鱗片挿しよりもさらに早い開花が期待できます。

 

木子を利用して増やす場合も、親株が感染していない、健全な株を選ぶようにします。
また、取り外した木子は、鱗片と同じように消毒をして乾燥させてから植え付けます。 

 

消毒して乾燥させた後は、すぐに植え付けが可能ですが、
植え付け場所の準備ができていない場合は、湿らせたオガクズに埋めて保存します。
植え付けは11月中旬頃まで可能です。

 

 

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■分球

 

球根自体は1つでも、植えてみると2本以上の芽が出た場合、分球で増やすことができます。
掘り上げた球根をよく見ると、茎が伸びる生長点が複数あるのが分かります。

 

よく見ると、球根も芽の数と同じだけ分かれています。
最初のうちは見分けがつきにくいですが、慣れてくると見るだけで、
どこを切って分球すれば良いのか分かるようになってきます。

 

分球によって増やす場合も、健全な株から分けた方が健康な球根を期待できます。
分球して球根を切り離した後、ベンレートによって消毒・乾燥させてから植え付けます。

 

この時、1個の球根を切り離したことで、形がいびつになっています。
そのまま植え付けても問題はありませんが、
鱗片を何枚かはずして形を整えてから植え付けても構いません。

 

すでに球根は大きく育っているので、翌年も花が咲く可能性が高い増やし方です。
どこで分かれているのかを見極めるための経験は必要ですが、
分けた後に開花まで何年も待たなくて良いのが分球の最大の利点です。

 

家庭でヤマユリを育てている程度であれば、ゆっくりと球根が育つのを待ち、
分球できるようになってから増やすのも面白いです。

 

■参考
・カサブランカの育て方
・テッポウユリの育て方
・テッポウユリ 地植えの植え付け 画像

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