ヒメユリとは?
ヒメユリは、日本のほか、中国北東部、朝鮮半島の北方、
アムール地方などに自生するユリです。
日本では、東北地方より南の本州、四国、九州の、
山地や草原に分布していますが、沖縄には自生していません。
ですので太平洋戦争の「ひめゆりの塔」とは関連がないとされます。
環境省のレッドリスト(2007)では、
「近い将来における絶滅の危険性が高い種」とされています。
■ヒメユリの外見
ヒメユリは花径6~8cmの星型の花を上向きに*総状花序に付けます。
*総状花序とは、長い一本の花軸に花を下から上へ付けるもののこと
花色は緋赤から橙赤まで濃淡に幅があり、
花弁の基部には小さな濃い赤褐色の斑点があります。
生育の良いものでは、1株に10輪以上の花を咲かせます。
茎は細く、淡緑色~緑色で直立し、葉は幅3~7mm、
長さ5~10cmの線形ないし広い線形です。
葉は披針形で、たくさんの葉が互い違いに生える互生です。
草丈は品種、変種によって40~100cmと、差があります。
球根は小球性でりん片の数も少なく、木子もほとんど着きません
■ヒメユリの変種
自生している地域によって多くの変種があり、
花色も赤色や黄色などがあったり、
花弁の内側に斑点の入るものやないものなど、様々です。
球根も、分球するものとしないものがあります。
下記のような変種があります
・ミチノクヒメユリ
東北地方に分布します。
花色は濃い橙色で、草丈が30cm~60cmくらいで葉が短く多く付いています。
日当たりが良く、水はけ良い土壌を好み、花は7月上旬に咲きます。
ミチノクヒメユリの園芸種がニホンヒメユリです。
・チョウセンヒメユリ
名前の通り朝鮮半島のほか、中国の河南省から吉林省にかけてと、
アムール地方に分布します。
最大の特徴は、つぼみに綿毛状のものが生えることです。
チョウセンヒメユリは、開花が早くて草丈も高いです。
分球せずにタネで増えます。
・トサヒメユリ
四国と九州、特に高地に分布しています。
ヒメユリの中では開花が遅いです。
草丈は高めで、1mくらい、1株に10数輪の花をつけます。
花色は赤で、濃淡があります。
球根は分球しないため、タネで繁殖します。
・キヒメユリ
自生種が変異し、まれに発見される黄色い花を咲かせるものです。
花弁には小さな濃い赤褐色の模様があります。
直径5㎝くらいの小さな花と言われます。
*画像は取材中です