タカサゴユリとは?
タカサゴユリ(高砂百合)は、台湾原産の野生種で、
「台湾百合」とも言われています。
テッポウユリに似ていて、
「ホソバテッポウユリ」とも言呼ばれます。
海岸に近いところから、3000m以上の高山まで、
幅広い地域に生育しています。
■タカサゴユリの特徴
タカサゴユリの花は、テッポウユリに似ています。
テッポウユリをやや細くした直径10cmほどの長い筒型の花で、
その花の先端は大きくラッパ型に開きます。
筒型の部分は15cm~20cm、花の直径は10cmくらいです。
花色は白で、外側に淡紅紫の筋があるもの、
筋がなく純白のものももあります。
開花期は7~9月で、数個~十数個の花を、
横向きかやや下向きにつけます。
テッポウユリは、並行かやや上向きなので、
その点で見分けることができます。
草丈は40~180cmと幅広く、葉は線形から細い針形で、
長さ10~12cm、幅5~7mmと細長いです。
球根は黄色味がかった白色で、
直径・高さとも3~4cmほどで個体差があります。
タカサゴユリはタネでもよく増えると言われます。
一般的なユリは、タネから育てても開花までに、
数年かかるので待ち遠しいですが、
タカサゴユリはタネから1~2年で開花できます。
日本でも各地で野生化し、繁殖したユリがよく見られます。
大正時代に輸入されたものが、帰化したそうです。
実生で育った群落は開花が揃わず、
秋遅くなるまで長い間、次々と開花するのが特徴です。
タカサゴユリは日本だけでなく、
北アメリカや南アフリカでも帰化しています。
テッポウユリと近縁のため交雑しやすく自然雑種もあります。
園芸的にテッポウユリと掛け合わせて作られた品種は
”シン(新)テッポウユリ”として、切り花などで人気があります。
タカサゴユリはウイルス病に非常に弱く、
ウイルスの検定植物に使われるほどです。
■タカサゴユリの変種
ヒメタカサゴユリは高山帯に自生する変種です。
タカサゴユリより小型で、草丈が30~50cm程度です。
花も小ぶりで、2~3輪を開花させます。
花筒の基部がらせん状にねじれることが多く、
ロックガーデンなど庭造りによく利用される品種です。