ハカタユリとは?
ハカタユリは中国原産の野生種です。
湖北、湖南、四川、雲南省などの中南部の山岳地帯に自然に育ち、
中国では”野百合”と言われます。
古い時代に日本に伝わり、帰化しました。
帰化したのは、ハカタユリの変種のひとつ、
var. viridulum です。
ハカタユリの名前の由来は、当時大陸との交易の窓口であった
博多を経由して伝わったためだそうです。
以前は東京(江戸)でも、よく見られたのですが、
現在の自生地は、岐阜県や長崎県の一部にわずかに残るだけで、
再度、自然に生えるよう、研究されています。
■ハカタユリの特徴
ハカタユリは、6月中旬~下旬に、
テッポウユリと見分けがつかないほど、そっくりな花を咲かせます。
開花時には強い香りを放ち、咲き始めはイエローですが、
時間が経つとだんだんと白色に変わっていくのが特徴です。
花は、長さ70~80cmの花茎に2~3輪つきます。
葉は披針形です。
球根は直径4~5cmの白色です。
ハカタユリは梅雨の長雨で葉枯れ病が発生しやすく、
また、球根も腐敗しやすいため、栽培が難しいユリのひとつです。
中国では、花からは香料を取り、球根は食用や薬用に使われています。
■ハカタユリの変種
広東省など南には、
葉が細く、白花の”ブローニー・オウストラレ”
という変種が分布します。