カサブランカとユリの違いは?
やや下向きに咲き始めるカサブランカ
「カサブランカ」も「ユリ」もよく聞く花の名前です。
けれど、はっきりと区別や説明ができなかったり、
花屋さんで見ても、これがカサブランカだと見分けられないこともあります。
カサブランカとユリは、どのような違いがあるのでしょうか。
[カサブランカとユリの違いは?]
テッポウユリも綺麗です
■ユリとは?
ユリとは、ユリ科ユリ属の植物の総称です。
スカシユリやオニユリ、テッポウユリなどを含めた、
すべてのユリの花をひっくるめて「ユリ」と呼びます。
山などに自生しているユリも、園芸品種として品種改良されたユリも、すべてユリです。
■カサブランカとは?
ユリがユリの総称であるのとは違い、
カサブランカ(Lilium ‘Casa Blanca’)はユリの中でも、
オリエンタル・ハイブリッドという園芸品種群の中の1品種です。
つまり、ユリという大きなくくりの中に、
カサブランカという品種があるということになります。
カサブランカは、花が大きくて白くて豪華で、
香りも強くて良いということで、とても人気があります。
真っ白で芳香を放つカサブランカ
◎カサブランカの特徴
1. 真っ白な花で大輪
カサブランカといえば、その白い花色が最大の特徴です。
そもそもカサブランカは、スペイン語で「白い家」という意味がついているので、
白色が特徴とされています。
また、他のユリ品種によくある、花弁の内側のスポット(斑点)がほぼありません。
スポットがないことで、さらに花弁の白さが際立ちます。
また、とても花が大きく、豪華ながら気品のある雰囲気を放ちます。
蕾が下向きにつきます
2. 蕾は茎に対して垂直よりやや下向きにつく
一般的なユリは、茎に対して垂直~やや上向きにつくことが多いのですが、
カサブランカはやや下向きにつきます。
蕾の時には、内側の花色が見えないため、カサブランカか区別がつきにくいですが、
蕾の付き方である程度は見分けることができます。
- 花弁が開くと内側に突起がある
カサブランカは、花弁の内側に小さな突起がいくつかついています。
他のユリにあるスポットがない代わりに、突起がついているので見分けることができます。
4. 花が咲き進むと花弁が反り返る
蕾が開き始めると、最初は反り返ることなく開いていた花弁が、
いつしか反り返るようになります。
花が咲ききると、花弁の先端がくるりと反り返ります。
1輪咲いただけで上品な芳香が漂います
5. 甘く芳しい香りがある
カサブランカといえば、花の豪華さとともに素晴らしいのが、甘い香りです。
庭に1株あるだけで、開花中はどこからともなくカサブランカの甘い香りが漂ってきます。
この特徴的な良い香りも、人気の理由の1つです。
ピンクや黄色のカサブランカも売られていますが
■色付きカサブランカ
球根や切り花の売り場では、時折「カサブランカ」という名前がついている、
ピンクや黄色の花が並んでいることがあります。
実際に花は大輪で大きく、とても美しいのですが、
本来の定義からすると、これらの色付きの花はカサブランカではありません。
流通名で「ピンク・カサブランカ」「イエロー・カサブランカ」、
といった名前がつけられていることがありますが、
厳密にはこれらはカサブランカではありません。
カサブランカと同じオリエンタル・ハイブリッドの仲間ですが、
本当の名前はカサブランカではなく「パラッツォ」や「ロビーナ」のように、
別につけられています。
■参考
・カサブランカ 鉢植えの植え付け 画像
・カサブランカ 花を咲かせるには?
・カサブランカ 花が終わったら
・テッポウユリの育て方