ユリ根の栽培
ユリの根は、”ユリ根”として、食用にできます。
ユリのりん片には養分が蓄えられているため、
栄養豊富で、漢方にも用いられています。
しかし、多くは灰汁(あく)が多く食用に適しませんが、
灰汁が少ない品種を正月料理や高級料理として食用にしています。
日本で食用に栽培されているユリは、
コオニユリ、オニユリ、ヤマユリの3種類です。
なかでも、コオニユリの栽培が多いです。
カノコユリも食用に適していますが、
ほとんど食用には栽培されていないようです。
食用ユリはそのほとんどが北海道産で、9割以上を占めています。
そして、北海道産の食用ユリが90%で、
コオニユリの1品種である”白銀”が占めています。
日本以外では、中国でもユリ根を食用にしますが、
中国では主としてオニユリとダビディー、
という品種が食べられています。
■ユリ根の栽培
ユリ根の栽培には、手間と時間がたいへんかかります。
球根を植え付けてから収穫まで3年かかり、
毎年植え替える手間がかかります。
さらに、連作障害が起きないように、
一度植え付けた畑は、最低7年間は植え付けることはしません。
また、ユリ根を大きくするため、花芽(蕾)をとるため、
花を鑑賞用として楽しむこともできません。
■ユリ根の食べ方
ユリ根はお正月料理として知られていますが、
それ以外でも、とても、おいしく食べられます。
ユリ根はサツマイモやカボチャなどのように、
収穫してから2~3ヶ月寝かせた方が、
デンプンが甘みのある糖分にかわっておいしくなります。
北海道産の収穫期が10月から年末にかけてですので、
お正月を過ぎたあたりがむしろ旬です。
お正月を過ぎると、値段も安くなります。
ユリ根を購入する場合は、色が白く、りん片がみずみずしく、
締まりのある品を選びます。
傷や黒っぽい汚れがないユリを選びましょう。
ユリ根の調理は、りん片を1枚ずつはがして使います。
はがしたら、いったん多めの塩で塩ゆでにします。
沸騰している塩水の中に、泳がせるような感じで、
1~2分、軽く火を通します。
ゆですぎると、ユリ根の美味しさである、
ホクホクした食感がなくなるので注意します。
茶碗蒸しが最も一般的な食べ方ですが、
その他にも、煮物や素揚げもおいしいですし、
基本的に和食なら何でも合います。
変わった食べ方では、マッシュポテトのように、
裏ごししたものも、とても優しい味わいです。
また、茹でたてや、ホイル焼きにし、
熱々をバターで食べると、
じゃがバターのようでおいしいです。