ユリの育て方 庭植え
■植え付け場所
ユリは、地温の上昇を嫌い、排水性の良い土壌が好きです。
そのため、水はけがよく、地面に直射日光があまり当たらず、
その一方で茎葉に適度な光が当たる場所を選びます。
庭では、建物の東側が最適ですが、
南側でも、西日が射さない場所なら心配いりません。
さらに、ユリの株元を覆うような、
匍匐性のコンパニオンプランツを混植することで、
株元への直射日光を防ぐことができます。
半日陰を好む品種の場合、落葉樹の株元も適した場所です。
水はけが悪い土壌の場合、盛り土をして、15~20cmの高畝にします。
植え穴を掘り、その下に目の粗い土を敷き込むのも良いです。
庭植えでは、一度植え付けると2~3年は植え替えの必要がなく、
そのまま栽培することになるので、植え場所は慎重に選びましょう。
■植え付け
・植え場所の準備
ユリの植え付け適期は10月ですが、
植え付ける2週間前から準備をします。
最初に、20~40cmほど掘り起こし、1㎡あたり一握りの
苦土石灰を混ぜ、酸度を調整します。
そのまま1週間放置し、植え付けの1週間前になったら、
1㎡あたりバケツ1杯の腐葉土と、100gの緩効性化成肥料を
まいて、よく混ぜます。
・植え付け
球根は、球根の高さの2~3倍の深さに深植えします。
球根の大きさにより、株間は15~20cm程度とします。
植え付け後の水やりは、必要ありません。
■庭植えの管理方法
・水やり
ユリは乾燥に耐え、過湿を苦手とするため、
庭で栽培する場合は、水やりはほとんど必要ありません。
乾燥が著しい場合にのみ、水やりをしましょう。
水を制限して育てることで、地中深く根が張り、
茎の太いしっかりしたユリに生長します。
逆に、水が多すぎると、根が浅くなり、
貧弱で病気や乾燥にも弱くなりかねません。
・追肥
花が咲き終わったら、お礼肥を与えます。
これは、来年のために球根を育てるための肥料です。
ユリは、花が咲くまでは、球根に蓄えられた養分を使って生長します。
花後の頃は、球根が最も消耗した時期に当たるため、
それ以降の管理が悪いと、球根が太ることができません。
最悪の場合は、球根が腐ったり、病害虫の影響で、
なくなってしまうこともあります。
・マルチング
自生ユリは、山間地や草地などに生育していて、
落ち葉やコケ、枯れ草など自然のマルチングの中で生長しています。
ですので、庭のユリにも、稲わらや、ピートモス、腐葉土、
などでマルチングをしてあげましょう。
マルチングにより、直射日光の照り返しによる地温の上昇を緩和し、
乾燥や、泥の跳ね返りによる病気の予防効果が高いです。