ヤマユリ 種 育て方

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ヤマユリ 種からの育て方

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種から育てて開花すると嬉しいです♪

 

ヤマユリは花後に莢のような実をつけ、その中にたくさんの種を作ります。
この種を土に播くことで株を増やせるのですが、
花を咲かせるようになるまで時間がかかります。

 

鱗片挿しをして増やすのも楽しいですが、種からじっくりと育ててみると、
花が咲いた時の感動ははかりしれません。
種を入手することができたら、ぜひチャレンジしてみてください。

 

[ヤマユリ 種からの育て方]

 

■種から開花までの流れ

ヤマユリは、種を播いてから株が充実して開花するまで、
だいたい5年かかるといわれています。

 

その理由は、地上部への発芽に時間がかかることと、
地下の球根の成長に時間がかかることです。

 

何も知らないままにヤマユリの種を播くと、なかなか芽が出ない、
何年試してみてもうまくいかない、失敗が続くことがあります。

 

けれど、実際には地下でゆっくりと生長していることが多いのです。
まずは、ヤマユリが種から開花までどのような生長をたどるのかを知りましょう。

 

◎ヤマユリの生長
1. 開花後にできた鞘から種が飛ぶ
2. 種は冬の寒さと夏の暑さを経験しながら、地下で根を伸ばして小さな球根を作る
3. 冬と寒さと夏の暑さを経験した後、ようやく地上に芽が出る
4. 発芽1年目は葉1枚で過ごし、秋になると地上部が枯れる
5. 発芽2年目は葉が数枚になるが、背丈はさほど大きくならず、
秋になったら地上部が枯れる
6. 発芽3年目は、ある程度茎が伸びるものもあり、中には蕾がつくこともある
7. 発芽4年目にして、ようやく背丈が伸び始めて大きな蕾をつける

 

このように、ヤマユリは長い年月をかけてゆっくりと生長していきます。
種播きの翌年に発芽しなくても、地下では根が伸び小さな球根となっています。

 

次の年にようやく発芽した後も、
何年もかかって地下の球根を肥らせ、株を充実させていきます。

 

種を播いても、自然に任せていれば、
発芽して目に見えるようになるまでに、1年半かかることになります。

 

種から育てたヤマユリを咲かせたいのであれば、
発芽しないからと諦めてはいけません。
気長に待つことも、ヤマユリを育てるのに必要な要素です。

 

 

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種ができはじめました

 

■種の準備

まずは種がなければ始まりません。
自分で育てたヤマユリなどから種をとります。

花後にできる鞘のようなものは、中に種が整列しています。

1個の鞘にはたくさんの種が入っていますが、
中には未熟な種が多い場合もあるので油断はできません。

 

鞘が完全に割れたものは、中の種が飛んでなくなっていることがあるので、
鞘にひびが入って中が少し見えるくらい割れているものが理想的です。

 

鞘ごと収穫したら、ザルなどの上で風で種が飛ばないように注意して、
中から種を取りだします。

種を取りだした後に必要なことは、乾燥と選別と消毒です。

 

・乾燥
鞘から取りだしたばかりの種は、まだ湿っていることがあります。

湿ったままの状態だと、すぐに傷んでしまうこともありますし、
選別が難しくなるので、乾燥させましょう。

手で軽くもむようにして種をばらけさせた後、
新聞紙などの上に広げて3日~4日ほど日陰で乾燥させます。
ヤマユリの種は直射日光を嫌うので、必ず日陰で乾燥させるようにします。

 

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さやが乾燥しています

 

 

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さやの中の種が見えますか?

 

・選別
種は薄い茶色~濃いベージュ色で、大きさもさほど変わらないので、
どれが良い種か見ただけでは分かりません。

種は重みのあるものほど良い種とされていますが、1粒ずつ持っても、
小さすぎて重さをはかることができません。

 

そこで、良い種と悪い種の重さの差を使って選別を行います。
種を1メートルくらいの高さからパラパラとこぼすと、
軽い種が風で飛び、思い種は下に落ちます。

 

また、浅いザルや盆などに種を入れ、それをフライパンを振るようにすると、
軽い種が上部に集まってきます。
重い種を残すことで、良い種を播くことができるようになります。

 

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飛び散ってしまった種

 

・消毒
ヤマユリは病気にかかりやすい植物です。
しかも発病した場合、薬剤などを使っても完治が難しくなります。

できるだけ病気にかからないよう、種の時点で消毒しておきましょう。

バケツなどの容器に乾燥・選別した種を入れ、
500倍に薄めたベンレート水和剤を入れます。

 

薬液に種を漬けた状態で30分放置し、その後は日陰でよく乾燥させます。
ヤマユリの種は軽く、薬液に漬けている間に浮いてくることがあるので、
よく混ぜて表面に薬液がつくようにし、重石をしておくのがお勧めです。

 

消毒が終わって乾燥したら、最後にもう1度選別を行います。
選別方法は消毒前のやり方と同じで構いません。
2回選別することで、良い種が残りやすくなります。

 

■発芽までの時間短縮

消毒、乾燥、選別が終わった種を、播き床に播いても良いのですが、
発芽までにかなり時間がかかります。

 

発芽までの時間短縮の方法は2通りありますが、
気長に待てる、自然に任せたいという場合は、
処理は絶対必要なものではありませんので、無理をしなくても構いません。

 

◎事前準備
発芽までの時間短縮には2通りの方法があります。
どちらの方法を実践するにしても、共通の準備が必要です。

ヤマユリの種は、そのままにしておいても発芽しません。
ある程度の暗さと湿度が必要になるので、そのための準備をします。
まず準備に必要なものは以下の通りです。

 

・消毒、乾燥、選別済みの種
・バーミキュライト
・水
・計量カップ
・ビニール袋
・ホッチキス

 

計量カップは、市販されているものでも構いませんが、
紙コップなどを切った自作のものでも構いません。

種とバーミキュライトと水を計量するために必要なので、
種の量に合わせると計測しやすくなります。

 

1. 計量カップを使って、種1:バーミキュライト3:水1をはかって容器に入れて混ぜる
2. 種等をよく混ぜたものを、ビニール袋に入れる
3. ビニール袋の口を何回か折り、口が開かないようにホッチキスで留める

 

種とバーミキュライトと水は、全体によく水が回るように混ぜてからの方が、よく混ざります。
袋の口が開くと、種が空気に触れて傷みやすくなるので注意します。

 

◎発芽までの時間短縮法
・土に埋める
まずは土に埋める方法です。
簡単で場所もお金もかからないので、初心者にはお勧めです。

まず事前準備を済ませた種を12月中旬頃、土に埋めます。

深さは10cmほどで、日向になる場所が良いです。

日向に埋めることで、光は当たりませんが、
夏の高温を感じることができるようになります。

 

土に埋めてから9ヶ月経ったら、土から掘りだして種を播きます。
この時、すでに根が出ていたりと変化が見えるものがでてきます。

 

寒さと暑さをすでに経験しているため、
秋に種播きをすると翌年の春には発芽するようになります。

 

ただし、土中に埋めるので、モグラやネズミなどが袋が傷つけると、
中に水が流れ込んでしまい、種が傷むことがあるので注意します。

 

この方法は、大幅に時間短縮できるわけではありませんが、
発芽率が90%近くも良くなります。

 

・温度処理
低温器という、庫内の温度を長時間一定に保てる装置に種を入れることで、

夏・秋・冬を最短で経験させる方法です。

季節を疑似的に経験した種は、休眠が破れて生育を開始します。

低温器に種を入れる時は、土に埋める時と同じように、
事前準備を済ませたものを使用します。
疑似体験させるための温度と期間は以下の通りです。

 

1. 30度で56日間(夏)
2. 18度で21日間(秋)
3. 5度で42日間(冬)

 

秋を経験した後、種は強制的に休眠を破られ、
発根して小さな球根を形成し始めます。

その後、冬を経験させている間に、
小さな球根から根が出てくるようになります。

 

その後、小さな球根から根が出た状態のものを植えると、
発芽して地上部に葉が出てきます。

 

この方法だと、発芽までかなり時間を短縮できることになります。
ただ、一般家庭には低温器のような器具を準備しにくいので、
あまり現実的な方法ではありません。

 

■種を播く

準備した種をいよいよ播きましょう。
種を播くためには、播く場所を準備する必要があります。

 

畑のような広い場所で大量の種を播いても構いませんが、
家庭で楽しむのであれば、プランターや発泡スチロールのような、
容器に種を播くのがお勧めです。

 

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容器は新しいものか消毒をすると良いです

 

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小粒の赤玉土7と腐葉土3の混合土や肥料の入っていない培養土が適します

 

・容器
ホームセンターなどでよく売られている、標準プランターで問題ありません。
発泡スチロールのような容器でも、水抜きのための穴をあければ使えます。

あまり広いスペースが容易できない場合は、ミニプランターでも構いません。
できればまだ何も育てたことのない、新しい容器を使うようにします。

もし別の野菜や植物を育てたことのある容器を使う場合は、
一度消毒をしてから使用しましょう。

 

・土
土も畑や花壇の土を使わず、新しいものを用意します。
小粒の赤玉土7と腐葉土3をよく混ぜたものがお勧めです。

市販されているものであれば、肥料を含まない種播き用用土も使えます。
培養土も使えないことはありませんが、肥料を含んでいる分、
株が大きい割りに軟弱に育ちやすくなるので、あまりお勧めできません。

 

・種を播く

容器に用土を7割ほどの高さまで入れ、表面を平らにならしておきます。
土をよく湿らせてから、準備した種を重ならないように播きましょう。

種を播いたら、種が隠れる程度に覆土します。
だいたい5mmほどの厚さに覆土しますが、
覆土する時の土も清潔な土を使うようにします。

 

・種播き後の管理
種を播いた後は、明るい日陰のような場所に置いて管理します。
ヤマユリは直射日光が苦手なので、半日陰~明るい日陰に置くか、
寒冷紗をかけるなどして30%ほど遮光するようにします。

また、土の表面が乾いているなと感じたら、水を与えておきましょう。
夏場などに乾燥がひどい場合は、もみ殻などを表面にかけておくと、
過乾燥防止になります。

 

■発芽1年目

種を播いてから自然に任せていれば、1年半ほどでやっと地上部に芽が出てきます。
発芽して1年芽は、最初に出てきた葉1枚で過ごします。

秋になったら地上部が枯れて、また次の春まで芽が出てくるのを待ちます。
置き場所は種播き後と同じで、明るい日陰~半日陰の場所に置くか、
寒冷紗で遮光します。

 

土が乾いたら水を与えます。
肥料は基本的には不要ですが、葉色が悪くなるような場合は、
通常の2倍~4倍ほど薄く作った液肥を与えます。

冬になってきたら、霜によって根や球根が浮かないよう、
切ったワラやもみ殻を表面に敷いておきます。

 

ワラなどがない場合は、寒冷紗をべた掛けするだけでも、霜よけになります。
年を越して3月中旬頃、新たに芽が伸びてくる前に、
防寒対策でかけておいたものを取り除いておきましょう。

 

■発芽2年目

発芽して2年目になると、生長に差が出始めます。
ほとんどは地際から葉が2枚~3枚出るていどですが、
中には茎が伸びてきて、葉が5枚~6枚ほどつくものがあります。

 

茎が伸びて葉数が多いものは、翌年にでも花を咲かせる可能性がありますが、
こういった株は全体の2割ほどしか出ません。

 

どれも花をつける可能性のある大切な株なので、丁寧に扱います。
秋になって地上部が枯れたら、1年目と同じように寒さ対策をしておきましょう。

 

・水やりと追肥
水やりと置き場所は1年と変わりませんが、追肥が変わります。
全体の芽がでそろった頃と、梅雨明けの2回追肥を行います。

肥料は粒状の緩効性肥料がお勧めです。

標準プランター1個に対して5gほど与えるのが目安です。

肥料が葉などに触れないようにし、
与える時はやや少なめを心がけると、肥料焼けを起こさずに済みます。

 

・植え替え
秋になると地上部が枯れますが、ここで必要になるのが植え替えです。
1年目と比べると、2年目のヤマユリは全体的に株間が狭く感じます。

球根が大きくなってくると、どんどんスペースが少なくなり、
窮屈になるので、植え替えをしてあげましょう。

 

まずは容器から土ごとヤマユリを取りだします。
水で土を洗い流した後、球根を1個1個にばらします。

この時、根が残っているのですが、
根同士がかなり絡まり合っているので、傷つけないように注意します。

 

球根をばらしたら、500倍に薄めたベンレート水和剤に浸けて消毒します。
消毒した球根は、日陰で2日~3日ほど乾燥させてから植え付けます。

植え付ける時はできたら新しい容器を準備するか、
今まで使っていたものは消毒してから使うようにします。

 

土は必ず新しいものを使うようにすると、病気の感染の心配が減ります。
植え付ける時は、株間を10cmくらいあけるようにし、
2条や3条に植え付ける時は、条間を15cmほどとって植え付けます。深さは球根3つ分が目安です。

 

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もうすぐ開花が見られます

 

■発芽3年目

3年目になると、全体的に茎が伸び、葉の数も増えます。
2年目で葉数が多かったものの中には、蕾がつくこともあります。

ただ、ここで花を咲かせてしまうと、養分を使いきってしまうことがあります。

残念ですが、蕾がついたら早めに摘み取ってしまいましょう。

置き場所や管理方法は、ほぼ2年目と同じです。
発芽がそろった時と梅雨明けの2回追肥を行い、土が乾いたら水を与えます。

 

秋になって地上部が枯れたら掘り上げ、ばらして消毒して植え付けます。
植え付けの株間・条間・深さの基準も、2年目と同じです。

 

球根が大きくなっている分、
同じ間隔で植え付けても広く間をとっているように感じます。
3年目の掘り上げを行った時、生育の良いものの中には、
すでに良いサイズになっているものも出てきます。
その場合は、別のプランターや鉢に植え付けても良いでしょう。

 

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害虫や病気に注意してあげます

 

■発芽4年目以降

4年目ともなると、全体的に茎が伸びて大きく育ってきます。
葉数も増え、蕾を持つ株も増えてきます。

できれば花を咲かせるよりも、蕾を摘み取って養生しましょう。
追肥と水やりは2年目に準じます。

 

秋になったらまた掘り上げますが、
この時、地上部の茎葉がまだ緑色をしているうちは、

球根が肥大しているので、掘り上げずに様子を見ます。

茎葉が全体的に黄色くなってきたら、掘り上げのタイミングです。

完全に茶色くなってからでは、球根から鱗片が剥がれ落ちやすいので、
掘り上げが遅れないように注意します。

 

4年目になると、翌年に開花しそうなサイズに育っているものが多くなります。
ようやく花を咲かせるようになるので、個別に好みの鉢やプランター、
花壇などに植え付けて育てましょう。

 

■害虫予防

ヤマユリを育てている中で、害虫被害に合うことがあります。
中でもアブラムシは、ウィルス病を媒介することもあるので注意が必要です。

薬剤を使って防除するのが効果的ですが、
抵抗がある場合はこまめに見回りをし、見つけたら捕殺するようにします。

 

■雑草

ヤマユリを育てていると、プランターの中でも雑草がはえてくることがあります。
雑草に養分をとられると、ヤマユリの球根が肥りにくくなるので、
見つけ次第抜くようにしましょう。
*写真協力=季節の花300さま

 

■参考
・カサブランカの育て方
・テッポウユリの育て方
・テッポウユリ 地植えの植え付け 画像



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