ユリ栽培 9月|鱗片繁殖の適期
新テッポウユリを除き、ユリの花の多くが開花期を終えます。
しかし、土の中では球根が充実してきています。
また、タネから栽培したものは開花期が遅いので、
9月頃から咲き始め、寒くなるまで咲いています。
また、9月は鱗片繁殖の適期です。
開花まで2~3年と時間はかかりますが、
一度に大量に繁殖できます。
■庭植え ユリの育て方 9月
・栽培管理
花が終わると管理がおろそかになりがちですが、
9月は球根が肥大・充実する大切な時期です。
特に病害虫に対してはには注意します。
・水やり
特にに必要ありません。
・肥料
必要ありません。
ただし、球根の植え付け・植え替えの際には、
元肥を与えます。
・病害虫
栽培管理で述べたように、病害虫に侵されると
球根の肥大・充実が妨げられ、来年の生育に差し障ります。
アブラムシはまだまだ発生するので、
防除を怠らないようにします。
また、気温が下がると葉枯れ病が発生しやすくなります。
・球根の植え付け
種苗店やホームセンターなどで、
球根が売られ始める時期です。
9月末くらいから植え付けられますが、
最適な植え付け時期は10月です。
・球根の植え替え
9月の末から11月まで、植え替えができますが、
最適な植え替え時期は10月です。
■鉢・プランター植え ユリの育て方 9月
・水やり
鉢土の表面が白く乾いたらたっぷり与えます。
・肥料
追肥は必要ありません。
ただし、球根の植え付け・植え替えの際には、
元肥を与えます。
・置き場所
風通しの良い、明るい場所を置いて管理します。
・病害虫
庭植えと同様です。
・球根の植え付け
庭植え同様、9月末くらいから植え付けられますが、
最適な植え付け時期は10月です。
・球根の植え替え
庭植え同様、9月の末から11月まで、植え替えができますが、
最適な植え替え時期は10月です。
・採種
採取用にさく果(子房)を残しておいた場合、
タネの成熟の早いヒメユリやヒメサユリなどは、
9月下旬ごろには熟します。
さく果が茶色くなったら摘み取って乾燥させます。
やがてタネが自然に落ちるため、拾い集めて保存します。
■鱗片繁殖の方法
ユリの球根は、たくさんの鱗片が集まった、
鱗茎と呼ばれるものです。
この鱗片を用いて繁殖させる方法を、
鱗片繁殖といいます。
9月は鱗片繁殖の適期です。
大多数のユリで、鱗片繁殖ができます。
十分に肥大した、ウイルス病に汚染されていない球根を掘り上げます。
球根をきれいに洗い、鱗片をはずしますが、
一番外側と、中心の部分は除きます。
チウラム・チオファネートメチル水和剤で消毒し、
湿らせたバーミキュライトなどの挿し木用土に、
鱗片の半分ぐらいが土に入るように挿します。
このとき、鱗片の切口が下になるようにします。
鱗片の間隔は、3~5cmくらいとりましょう。
平鉢を使うのが一般的ですが、ビニール袋などでも大丈夫です。
密閉して半日陰の場所においておきます。
温度は20℃前後が最適です。
用土の表面が乾いたら水やりします。
2~3ヶ月くらいたつと、鱗片の切り口に
小さな球根が形成されます。
春になると、この小球根から葉が出てくるので、
1個1個別々にはずして植え付けます。
鱗片繁殖では、開花までに2~3年と時間はかかりますが、
比較的簡単に親株と同じものを大量に増やすことができます。