ササユリの育て方
ササユリは、日本に自生しているユリの中でも、栽培難易度が高いです、
その理由は、病気にかかりやすいことと、連作を嫌うことにあります
また、種やむかごからも育てることができますが、
発芽までに時間がかかるため、花が咲くまでに、4年以上かかります。
育て方の基本としては、他のユリと大差ありませんが、
ササユリを育てるためのポイントがいくつかあるので、お伝えします。
[ササユリの育て方]
■栽培環境
ササユリは、強い日差しが当たらない日陰が多い場所で自生しています。
庭で育てる時も、日当たりの良い場所よりは、
午前中に日があたり、午後から日陰になるような半日陰が適しています。
特に夏の暑さが苦手なので、夏の間は風通しが良く、涼しい場所に置きます。
どうしても日向しか場所がない場合は、
遮光ネットなどを設置して、日陰を作ってあげましょう。
季節によって移動することもあるので、鉢植えでの栽培がお勧めです。
地植えでの栽培も可能ですが、病気や連作の都合があるため、
地植えでも毎年植え替えが必要となります。
■土
肥沃で水はけと水もちの良い土を好みます。
一般的な培養土でも構いませんし、
小粒の赤玉土7と腐葉土3を混ぜたものに元肥を入れるのがお勧めです。
ウィルス病を避けるため、土は古土を再利用したものより、
常に新しいものを使うのが安心です。
後姿もきれいです
■水やり、肥料
春~秋の生育期の間は、土の表面が乾いたら水を与えます。
地上部が枯れている冬の間は、頻繁に水を与える必要はありません。
土が乾いたなと感じたら、与える程度でも良いでしょう。
ただし、完全に乾かしてしまわないように注意します。
植え替えを行う時、元肥として、緩効性の肥料を少量混ぜておきます。
生育期間中は、1ヶ月に1回~2回のペースで液体肥料を与えるか、
2ヶ月~3ヶ月おきに緩効性肥料を与えます。
いずれにせよ、あまり多肥にする必要はありません。
むしろ多肥にすることで、害虫を寄せやすくしたり、
病気にかかりやすくなるので、少し控えめくらいがちょうど良いです。
■植え替え
ササユリの栽培の最も重要なポイントといえるのが、植え替えです。
ササユリは同じ場所で何年も育てていると、連作障害が出やすい植物です。
地植えであっても鉢植えであっても、毎年必ず植え替えを行うようにします。
植え替えのタイミングは、地上部が枯れてくる10月~11月です。
植え替え方や球根の扱い方は、他のユリと同じで構いません。
ただ、ササユリの球根は小さいことが多いので、
手荒に扱うとすぐに鱗片がばらばらになってしまいます。
また、植え替えする時に使う土は、必ず新しいものを準備します。
鉢植えの場合なら、新しい鉢と新しい土を使うのが理想的です。
もし新しい鉢が用意できない時は、
古い鉢を一度よく洗って消毒しておいた方が安心です。
地植えの場合は、毎年まったく違う場所に植え替えるというのは、
スペースの問題もあり難しいでしょう。
地植えから地植えに植え替える時は、
15cm~20cmほどずらすような形で植え替えます。
少し移動させるように植え替えることで、スペースの問題も解決しやすいです。
種を採取して予備の株を育てるのも楽しみです
■病害虫
ササユリが育ちにくい原因の1つに、ウィルス性の病気があります。
毎年植え替えを行うのも、植え替えごとに新しい土を使うのも、
病気を予防するためでもあります。
ササユリがウィルス性の病気にかかる大きな原因は、アブラムシによる媒介です。
ササユリにもアブラムシがつくことが、多くあります。
アブラムシは吸汁する害虫で、ササユリ以外の植物にもつきます。
もちろん、アブラムシの数が増え、吸汁される量が増えれば、ササユリは弱ります。
けれど、数が少なくても、病気を媒介する可能性があるため、
できるだけ予防してあげるようにします。
■予備株の準備
いくら注意して育てていても、どうしても枯れてしまうことはあります。
そんな時のために、予備の株を育てておきましょう。
ササユリは、花後に花柄を摘みますが、摘まないと種ができることがあります。
この種を採取して播き、育てることで、予備の株を作ることができます。
ただし、ササユリは種から開花までに、4年以上の時間がかかります。
また、開花までの育苗中も、病気の感染や突然枯れる可能性はあります。
予備の株は早めに栽培を開始し、多めに育てておくのがポイントです。
■参考
・ササユリ 販売
・カサブランカの育て方