シンテッポウユリの育て方
■シンテッポウユリ 栽培データ
英名・学名 lilium x formolongo
形態 多年草
原産地 日本
草丈/樹高 50cm~100cm
開花期 8月~9月
花色 白
栽培難易度(1~5) 2
耐寒性 強い
耐暑性 やや弱い
特性・用途 耐寒性が強い
■栽培ポイント
1. 日光が良く当たる場所で育てる
2. 排水性が良く、水もちの良い土を使う
3. できるだけ毎年植え替えをする
■シンテッポウユリの育て方
シンテッポウユリは、
テッポウユリとタカサゴユリの自然交配種だという説と、
その2品種の園芸用の交雑種だという説があります。
タカサゴユリをシンテッポウユリの球根と称して、
販売しているケースも見られますし、
どちらの品種か区別しにくいユリも存在します。
シンテッポウユリは、テッポウユリより花が小さく葉が細いです。
また、タカサゴユリは花びらの外に赤い筋の模様があるので、
判別することができます。
シンテッポウユリは、ユリのなかでは珍しく生育が早く、
実生をまいて、1年以内に開花することができるので、
切り花として栽培されます。
・栽培環境
日当たりが良く風通しの良い場所を好みます。
ただし、猛暑に土中の温度が上昇すると、
球根や根が傷むことがあるので遮光したり2重鉢にします。
・植え付けと元肥
植え付けの適期は10月~11月です。
◎地植えの場合
地植えにする場合は、前年にユリを植えていない場所にします。
シンテッポウユリは連作障害が起きやすく、
何年も同じ場所に植えていると生育障害が起こりやすいです。
植え付ける場所は、あらかじめ30cmほどの深さまで耕しておきます。
植え付ける2週間ほど前に、3割ほどの腐葉土と、1㎡あたり100gの苦土石灰、
1㎡あたり100gの緩効性化成肥料を加え、じゅうぶん耕しておきます。
球根の4倍~5倍の深さに球根を植え付けます。
シンテッポウユリは、球根の下からと、
球根の上に伸びる茎の途中に根を生やします。
特に、茎の途中に生える根はとても大切で、
充実させるよう栽培していきます。
そのためには、十分なスペースが必要となるため、
必ず植え付ける時は深植えするようにします。
◎鉢植えの場合
球根の大きさによって、植え付けられる数は違ってきます。
10号程度の鉢であれば、3つ~5つ植え付けることができます。
ただし、深さが30cm以上ある鉢を選びましょう。
植え付け時期は10月~11月が適期です。
使う用土は、市販の草花用培養土で十分です。
水はけが悪い場合は、腐葉土や鹿沼土を混ぜるなどして調整します。
球根の3倍~4倍の深さに、球根を植え付けます。
植え付けた後は、水をじゅうぶんに与えましょう。
・水やり
地植えの場合は、雨水だけでもだいじょうぶです。
ただし、真夏などに雨が長期間降らなかったり、
土が乾燥し過ぎている場合は、じゅうぶんに与えるようにします。
鉢植えは、土の表面が乾いてからたっぷりと与えるようにしましょう。
シンテッポウユリの球根は、あまり乾燥に強くありません。
特に真夏は気温も高く、陽射しも強いです。
さらに、開花期と重なるため、土が乾きやすくなっています。
朝に水やりをしても、夕方に土をチェックして乾いている場合は、
たっぷり水を与えるようにしましょう。
逆に、過湿もよくありません。
過湿にすることで、根や球根が腐る原因になります。
土の表面が乾いていないのであれば、水を与える必要はありません。
・追肥
植え付けてから、発芽するまでは、追肥の必要はありません。
地上に芽が出てきてから8月頃まで、
2ヶ月に1回緩効性の肥料を与えるか、2週間に1回液体肥料を与えます。
シンテッポウユリは、多肥にすると突然枯れたり、
病気にかかりやすくなったりします。
そのため、多肥にならないように注意します。
・植え替え
連作障害があるので、地植えでも鉢植えでも、
毎年植え替えた方がいいでしょう。
地植えの場合は、同じ場所に植え付けないようにし、
鉢植えの場合は、必ず新しい用土を使うようにします。
植え替えの適期は、植え付けと同じ10月~11月です。
■植え付け後の管理
植え付けてから、地上に芽が出るまでは特に何かをする必要はありません。
鉢植えにしている場合、土が乾いているようであれば、時々水を与えるようにしましょう。
発芽したら、日当たりの良い場所で管理します。
その後、ぐんぐん背丈が伸びてくるので、支柱を立てるようにします。
株元近くに支柱を立てると、その下にある球根を傷めることがあるので、
少し離れた場所に、支柱を挿すようにします。
支柱と茎を麻紐などで八の字に結んでおきます。
■花後の管理
花が咲いた後、花が傷み始めたら、花ガラ摘みを行います。
花の下に少し膨らんだ部分=子房ごと摘むようにします。
花ガラを放置すると、種を作るために養分を使い、
球根が育たなかったり、株が弱ったりしてしまいます。
花ガラを摘む時は、必ず茎と葉は残すようにします。
花が終わっても、茎と葉で光合成をしながら栄養を作り、球根を育てます。
■参考
・カサブランカ 鉢植えの植え付け 画像
・カサブランカ 花を咲かせるには?
・カサブランカ 花が終わったら
・テッポウユリの育て方