テッポウユリの育て方
テッポウユリ(鉄砲百合)は、リュウキュウユリとも呼ばれ、
容姿も美しく、性質が強く栽培が容易なユリです。
テッポウユリは、庭植え、鉢植えに向き、よほどの失敗がなければ毎年開花し、
分球も簡単で、初心者でも栽培できます。
■栽培ポイント
1.日当りよく管理します
2.肥料切れに注意します
3.鉢植えの場合、球根の大きさを調節します
■テッポウユリの育て方
頑健な性質なため、肥料切れと、
夏場の乾燥さえ注意すれば、毎年開花します。
・栽培環境
耐寒、耐暑性が強いため、
日当たりが良ければ場所はあまり選びません。
・植え付けと元肥
9月以降、3月頃まで植え付けられます。
植え付け場所は、前もって、苦土石灰をまいて、
酸度を整えておきます。
その後、元肥の緩効性肥料や腐葉土をまき、よく耕しておきます。
球根は、球根腐敗病の原因となる菌類(カビ)の一属である、
フザリウムなどの防除のため、
あらかじめ薬剤で殺菌しておくのが効果的です。
ユリは、球根の上から生えてくる根(上根)から、
栄養を吸収するので、深植えにします。
テッポウユリの場合は、20cm以上の深さで植え付けます。
盛り土をしても良いでしょう。
球根の入手時期が遅く、雪などのために地植えができない場合で、
袋の中に湿らせたオガクズなどが入っていて保湿できていれば、
袋ごと屋外に出し、3月中に植え付けても良いでしょう。
◎鉢植えの場合
鉢は、大きめの深鉢が適しています。
10号鉢ならば3球植えが目安です。
ユリは上根から栄養を吸収するので深い鉢が必要ですが、
テッポウユリは草丈140~200cmと高いので、
重みで鉢が倒れないように、大きめで深い鉢が必要です。
逆に、鉢に対して球根が大きすぎる場合は、球根の外側の
りん片を何枚かかき取るとよいでしょう。
鉢底ネットを敷き、ゴロ土を鉢の1/3の深さまで入れ、
その上に用土を鉢縁から3cmくらい下まで入れます。
用土は、一般的な培養土で十分です。
球根3個分の深さくらいに植え付けます。
ゴロ土の上に直接球根を配置してから用土を入れても良いでしょう。
植え終えたら、じゅうぶんに水やりをします。
テッポウユリは耐寒性が高く、
冬の寒さに十分に当てた方が花がきれいに咲きます。
・水やり
庭植えの場合は、乾燥する日が続かない場合、
水やりは必要ありません。
ただし、根が完全に乾いてしまうと再生できないため、
太平洋側の地域では、冬の乾燥に注意し、冬期間でも、
根や球根が乾燥しない程度に水やりをします。
鉢植えは、表土が乾いたらたっぷり水やりをします。
花後も、茎葉が枯れるまで水やりは続けます。
・追肥
根に直接肥料が接触すると肥料焼けして根が伸びなくなるため、
緩効性化成肥料は元肥としては施しません。
植え付け後、1ヶ月くらいたち、根が生えてきた頃に、
緩効性化成肥料を少量、地面にまきます。
テッポウユリは肥料を好むため、芽が出てきたら1ヶ月に1度、
同様に少量の緩効性化成肥料を施します。
ただし、過肥よりは控えめのほうが良いため、
葉の色が黄色っぽくならなければ、少な目を心がけて施します。
鉢植えは、液体肥料を2週間に1度、8月中旬まで
水やりの代わりに施します。
・植え替え
植え替えは、10月が最適です。
茎葉が枯れたら球根を掘り上げ、古い茎はねじりながら引っ張って取り、
球根の古い用土を洗い流します。
分球する場合は手で分け、下根はつけたまま、
薬剤で殺菌して植え付けます。
ユリの球根は乾燥が苦手ですから、球根をそのまま乾燥させたり、
日光に当てたりしないように注意します。
■植え付け後の管理
6月の開花の頃までは十分に光に当てましょう。
といいますのは、光が少ないとひょろひょろと育ち、
茎が倒れやすいためです。
支柱を立てて支えてあげても良いでしょう。
その場合は、根や球根を傷めないよう少しはなれた場所に
支柱を立て、紐で八の字に結わえます。
球根を肥大させる為には、花後も日光に当てることが必要ですが、
真夏の西日は苦手なため、午後は明るい半日陰になる場所がベストです。
■花後の管理
花が咲き終わったら、球根が消耗しないように。
早めに切り花にしたりや花柄を摘みます。
切り花にするときは、なるべく葉を残すようにすると、
より球根に栄養が送られます。
葉は、1/2以上残すようにしましょう。
花後の花がらは、子房の下を手で折って取ります。
こうして種子が熟して養分を消耗することを防ぎます。
また、病気を防ぐ利点があります。
手で折り取るのは、ハサミなどを使用して
ウイルス病を媒介するのを防ぐためです。
■参考
・カサブランカ 鉢植えの植え付け 画像
・カサブランカ 花を咲かせるには?
・カサブランカ 花が終わったら
・テッポウユリ 地植えの植え付け 画像