カサブランカの育て方
カサブランカ(Lilium ‘Casa Blanca’)は、
オランダで作られた品種で、「ユリの女王」とされます。
6月~8月の開花し、自宅で豪華な花と香りを楽しめるので、
栽培するのにも、プレゼントにも人気があります。
カサブランカ以外のオリエンタル・ハイブリッドや、
トランペット・ハイブリッド、アジアテック・ハイブリッド、
などの栽培にも応用できるわかりやすいカサブランカの育て方をご紹介します。
■栽培ポイント
1.水はけと風通し良く管理します
2.肥料は野生種より多めに施します
3.長時間の直射日光や西日は避けます
■カサブランカの育て方
カサブランカは、やや上級者向きのユリですが、
適切に栽培すれば、素晴らしい花を長期間楽しむことができます。
経験では、鉢植えで3年間は元気な花が咲きます。
4年目以降、花数がだんだんと少なくなったり、
ややウイルス系の病気になりやすくなります。
カサブランカは、テッポウユリなどより短命ですが、
咲いた時の喜びと香りは、抜群です。
・栽培環境
ユリは、日光を好む品種が多いですが、
カサブランカは半日陰や明るい日陰が好きです。
午前に日が差し、午後から日陰になる場所が理想的で、
風通しと排水の良いところが好きです。
西日が差し込む場所は好まず生育が良くありません。
・植え付け適期
植え付け適期は10~11月です。
1月までは、なんとか植えられますが、
11月末までの適期に植えたほうが安心です。
・植え付けと元肥
植え付ける場所は、植え付けの1~2週間前に準備をします。
◎庭植え
1㎡にひと握りぐらいの苦土石灰をまいて酸度を整え、
さらに元肥は、1㎡あたり20リットルくらいの腐葉土と、
規定量(100g)の緩光性化成肥料をまき、十分耕します。
球根の高さの約3倍の深さ、
15~20㎝間隔に植え付け覆土したら、
たっぷりと水やりをします。
◎鉢植え
鉢は、7~10号の大きい深鉢が適します。
プラスチック鉢よりも素焼きの鉢のほうが、
通気性があり育てやすいです。
しかし、重くて移動がたいへんな場合は、
プラスチック鉢でもかまいません。
土は、市販の園芸用土でだいじょうぶです。
肥料が配合されている場合は、
元肥も施す必要はありません。
自分で配合する場合は、赤玉土を6割、パーライトか川砂1に、
3割くらい腐葉土を混合し、排水性の良い土にします。
元肥は野生種ユリより多めで、土1Lあたり、
緩効性化成肥料約5gを混ぜ込みます。
鉢底網を敷き、ゴロ土(日向土大粒など)を鉢底に入れ、
用土を入れ、球根を土の上におきます。
芽の出る部分を少し外向きに、
等間隔で並べると花姿がきれいです。
株間は球根の大きさの2倍以上取ります。
球根の高さの2~3倍の深さ、
10~15㎝間隔に植え付け、用土で覆って、
鉢底から水が流れるほど、たっぷりと水やりをします。
・水やり
庭植えは、長期間、晴れの日が続かなければ水やりは必要ありません。
鉢植えでは、土の表面が乾燥してきたら、十分水やりをします。
ユリの球根は、とくに乾燥に弱いので、
鉢栽培では、地表に葉が出ていない夏から冬でも、
球根を乾かさない程度に水やりします。
水やりをする際は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。
・鉢回し
カサブランカの茎がまっすぐに伸びるよう、
また葉や株全体にまんべんなく日光を当てるために、
鉢をときどき回してあげます。
2~3週間に1度、回してあげましょう。
・追肥
春、萌芽したら、緩効性肥料を1株に10gくらい、
株のまわりにぱらぱらとまきます。
花後は、お礼肥に、同じくらいに与えます。
鉢植えの場合は、薄い液体肥料を1か月に2度、
8月中旬まで、水やりの代わりに施します。
・植え替え
10月~11月が植え替え適期です。
鉢植えは毎年植え替えが必要ですが、
庭植えは数年間は植えっぱなしで問題ありません。
いずれも、茎や葉が十分枯れてから、
球根を傷つけないよう、ていねいに掘り上げます。
ユリの球根は外皮がなく、
乾燥すると干からびたようになり、
品質が著しく低下するため、
球根を長い時間、乾燥させたり、
日光にさらさないようにします。
できれば掘り上げたら手早く植え替えましょう。
古い茎を、捻りながら引いて取り除きます。
ハサミなどを使用すると、ウイルス病を媒介する、
危険があるため、手で取り除きます。
分球する場合も、刃物ではなく、手でそっと分けます。
茎を取り除いたら、球根に付着している、
古い土やごみをきれいに洗い除きます。
長い根は、健全に生育していた証です。
良い根だけを選び、傷んだ根は取り除きます。
◎殺菌
球根を規定量のオーソサイド液などに
数十分間、浸し殺菌します。
殺菌したカサブランカの球根は、すぐに植え付けます。
球根の下根はそのままにして、
根を広げるようにして植え付けます。
植え付け後は、風通しと日当りの良い場所に置き、
午前中は日光を当てると、茎が丈夫になります。
ただし、真夏の直射日光は強すぎるため、
明るめの日陰に移動しましょう。
■植え付け後の管理
カサブランカの芽が出てきたら、
肥料を施して上根の生長を促すことが、
丈夫な株を育てるポイントです。
庭植えの場合は、1株あたり緩効性化成肥料を規定量の10g程、
株の周囲にぱらぱらとまきます。
鉢植えは、薄めの液体肥料を1か月に2度、
8月中旬まで水やりの代わりに与えます。
錠剤タイプの緩効性化成肥料を与える場合は、
7号鉢に3個程度を、3ヶ月ごとに施します。
草丈が長くなる品種では、支柱を立てたほうが良いでしょう。
支柱は、茎の2/3ほどの長さのものを準備し、球根を傷つけないよう
少し離れた場所に差し込み、茎を固定します。
支柱と茎は、1ヶ所だけでなく、2ヶ所以上で固定します。
その際、支柱と茎に8の字になるよう結び付けます。
■花後の管理
カサブランカの鉢植えの場合、
花が開いたら、風や雨のあたらない玄関や軒下、
窓辺などに置くと長持ちします。
草丈の長い品種は、切花としても楽しめます。
切り取るときは、茎の半分より上から切り取り、
葉を半分以上残すと、残った葉で球根が十分生長できます。
花が終わったら、花の付け根か、花穂全体を手で折り取り、
カサブランカの花がら摘みをします。
めしべの下にふくらみがありますが、
その部分を完全に取り除くことがコツです。
この部分が残っていると、養分をそこに貯めようとして、
球根に栄養がまわらなくなってしまいます。
さらに、球根の肥大を促進するために、
お礼肥として緩効性化成肥料を株元に少量施します。
■病害虫
カサブランカは、4月以降のアブラムシの発生と、
梅雨の長雨が要注意です。
アブラムシはウイルス病を媒介するため、
見つけ次第早めに防除します。
梅雨の長雨時は、鉢植えは雨のかからない、
軒下に移動すると良いでしょう。
庭植えの場合は、土の跳ね返りによる病気の発生を防ぐため、
腐葉土や稲わら、バークチップなどでマルチングすると効果的です。
マルチングは乾燥も防ぐため、鉢植えでも積極的にすると良いです。
■参考
・カサブランカ 鉢植えの植え付け 画像
・カサブランカ 花を咲かせるには?
・カサブランカ 花が終わったら
・テッポウユリの育て方
・テッポウユリ 地植えの植え付け 画像